日本人と米
ケニアの主食はウガリであるのと同じように、日本人の主食は米である。日本人は米と共に発展してきた。
米の始まり
米の栽培は今から約6000年前、インド、アッサム地方で始まったとされている。日本に伝わったのは今から2000~3000年前である。
日本の始まり
日本では初めての国家といわれる「邪馬台国」が発祥し、稲作の伝達とともに国としてのかたちが整い始めた。稲は温暖湿潤な日本の気候と合い、それまでは山、海、川でとれるその季節や風土に合った食べ物(木の実やけもの、魚、貝など)を採って食べる時代から、自ら食料を生産することを覚え、人々は一定の土地にとどまるようになった。縄文土器によって、食料を煮るだけでなく保存することも可能であった。定住生活をする人々が増えると、小さな集団が出来、その集団が集まって村が出来た。米の収穫量が増えてくると、人口は増え、村は大きくなり、国のかたちが出来るきっかけとなった。
米は豊かさの象徴
やがて、米は税の1つの形である年貢となり、豊かさの象徴となった。この年貢米は明治時代の地租改正により廃止され、米は本来の食べるものとして今に続いている。水と火と米があればすぐに食べられるご飯は日本人の食、生きることの太源となり、お米の収穫量はいのちを左右するものであった。
収穫祭
その中で米を大地の贈り物として神格化し、1粒に88(八十八)のいのちを宿しているとも言われた。秋の収穫のころに神様への感謝として歌や踊りを捧げる、これが日本の祭りのルーツである。
このように米は日本社会にとって、文化、政治、経済の中心的存在で、根源的に支えてきたものである。