食で生活も心も豊かに、一人一人の自己実現を支援するシゴトがしたい!

食べることや自然が大好きで夢見がちな大学院生の日常を綴ります。

おむすびの魅力 ・食の魅力

映画「千と千尋の神隠し」の主人公の千尋がおむすびを泣きながら食べるシーンを知っているだろうか。

f:id:mdk-ksn:20220129111020j:plain

千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM

 

―知らない世界に迷い込み、困っている千尋にハクは「千尋の元気が出るように、おまじないをかけて作ったんだ。お食べ。と言っておむすびを渡す。千尋はおむすびを泣きながら食べて元気を取り戻す―

監督の宮崎駿さんはこう言う。「今まで当たりまえだと思っていた“ご飯を食べること”が実は、とてもありがたいことだったと気づき、“生きていてうれしい”という実感がわき起こる場面です。」

おむすびには人を元気づける力があるのではないか。

また、おむすびで自殺をとどまった人がいるという佐藤初女さんのおむすびのことを知った。私は、おむすびには何か力が秘められていると確信した。 

 

日本人は昔から米を中心とした自然に感謝する食生活を送ってきた。食材が新鮮なうちに、楽しく、美味しくいただいて、元気に生きることが命への感謝の表わしになる。

食というのは誰でもが楽しめる、共通の話題、習慣、行事である。手作りの料理は作る人と食べる人の絆を深める。おむすびは、米ひとつぶ一粒の命と向き合う命への感謝の象徴であり、手で結ぶ、手で食べると命の結びつきを強く感じさせる。みんなで作りみんなで食べることで共有する楽しさや美味しさがその場の雰囲気を良くし、より食事を楽しく美味しく感じさせる。手作りの食事は食欲も心も満たす、生きる為には欠かせないものである。 

しかし、時代が進むにつれ人々の生活は変化し、できあいの食事を食べることが増えた。その結果、自然の命に感謝するという意識や思いやりの気持ちが薄れてきている。

家族で同じ食卓を囲むことが難しくなっている現代、共に作り一緒に食べることが必要なのではないか。

人と人の和が作り出すその場の雰囲気が、心に栄養を与えてくれる。お腹だけでなく心が満たされると人と人との絆が深まり、社会はもっと豊かになるだろう